憧憬通信 2021春 蒼風薫 /梅昆布茶2
雀、悔いなく
鷹が雀を産んだ
鷹はとっても悲しんだ
鷹は雀をわが子と認められずに
鷹は雀をみなしごにした
雀が鷹から生まれた
雀はそれを知らなかった
雀は親を恋して探して
雀は諦めないままその生涯を悔いなく閉じた
木香薔薇の洋館
木香薔薇がゆるされるほどの塀にアーチ、
くぐってドアを叩くが 大きな洋館
やっと我に返って呼び鈴だと気づいた
鳴らすが、待っても静かなままだった
身なりは精一杯に整えている
精一杯だった ここまで来るのも
何もかもを売り尽くして切符を買って
この街に辿り着き、 帰りのことは考え
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