憧憬通信 2021春    蒼風薫    /梅昆布茶2
 


炬燵出す心のどこか片隅に

あたらしいバイクの走る冬の街

猫座る手編みのかごのお正月

クロネコのトラック明日はクリスマス

偶然を必然としてポインセチア

冬鳥の鳴く樹の下で待ちぼうけ

ロンドンを行く君もきっと冬帽子

弾く君は窓辺が似合うカプチーノ

黒猫のラベルかわいい冬夕焼



博徒(ある日の)


『死んじゃえっていう訳』
『別にそんなこと言ってない』
『そう言ったも同じじゃん』
『そんなつもり全然なかった』

いくら続けても同じこと
わかりあえる術はない
言葉ってそんなもの
それでも詩人はたましいを賭ける

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