見えない音/飯沼ふるい
 
コップに残る水の
ぬるさに 立ちのぼる気配

窓辺のほつれた糸が
風にふるえて 何かを問う

なにもない机のあしもと
捨てられた 言葉の裏がわに
わたしが置き忘れたものを
君が知らずに 踏んでいく
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