それは静かにゆっくりと燃え上がり、また、しばらくは燃え尽きることが無い/ホロウ・シカエルボク
うになっていた、なにかしら自分の気を引くものはあちこちにあったし、そういうものをひとつずつ自分のものにしていけばいいのだと思って生きて来た、そういう気持ちになってからは確かに得るものが多かったような気がする、多分、そう考えることによって気負いというものが取れたのだろう、普通に目に見えるものを見つめておけばいい、いちいち拡大鏡を取り出す必要は無いのだと思えば、目を凝らすことはなくなる、躍起になって見つめたところで、結局すべてを見つめることは出来ないのだから、そうか、と俺はそこで気が付いた、探してはいけないのだ、どっかりとそこに座り込み、目を閉じた、必要なものは勝手にやって来る、思いもしない場所で、思
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