それは静かにゆっくりと燃え上がり、また、しばらくは燃え尽きることが無い/ホロウ・シカエルボク
 
、思いもしないタイミングで…探しても見つからないのなら探さなければいい、目を閉じて初めて気が付いたのだが、この世界には音が無かった、自分が立てる呼吸音や鼓動、動いたときの微かな衣類の音、そんな音以外には何も聞こえてこなかった、風が無いのだ、今だけなのかもしれない、ずっとそうなのかもしれない、とにかく風が吹いていなかった、空気はあった、少なくとも自分が普段存在している場所と大きくかけ離れた場所ではない、生きて動いていられる場所だ、そして、目を閉じるといろいろなことがわかるものだな、と思った、ここに腰を下ろすまではなにがなんだかわからないままに動いていたのに、こうしてじっと目を閉じているといろいろな情
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