根源ノ感触/ひだかたけし
 
移りいく季節の
余韻の何処までも
木霊残響させながら

伸びる伸びる、光帯の回廊の坂となり
光の奈落へ何も恐れることなく落ちいく

  この今の瞬間、

季節の狭間の窪みの深淵
濁音純音の渦なす最中に
呑み込まれ吸い込まれ
全て吹き飛ばされ

後に新たな
芽の吹き出し 、

深い青を奏でながら
薄い絹糸を手繰り寄せ
人の魂抉り出す霊声、

 とほひむかしの語り部の
  言の葉の舞い降り震え
 未来未知から既知を報じ

くりかへし繰り返し反復し
語り部の言の葉の思念映し取り
自らの内に沈潜する意志在る処に
移り変わる時々の根っこに触れる

 あゝ僕らもうなんて
  なんにもなくなるまで
  もう本当にどれだけ
 自らの生を削ることだろう




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