砂漠の蛇/秋葉竹
大事なだけだったから
砂に埋もれきってしまわないようにと
それでも
それだけは
じぶん自身に命じて
生きてきた
血ぬられた嘘や偽り
妬み嫉みそういう負の感情を
空気のように吸って
生きてきた
それだけで
ようやく
生きて来れた
みんなのような美しく気高く可憐な
お姫さまじゃ
なかった
忘れがちだけど人って人に
好かれるために努力しているんだ
けれど、とある希いを叶えるため
ただそれだけのために
好かれることを放棄する
気楽な人もなかにはいるけど、
ね、わたし?
貴女方はそんな風には
ならないで。
ね?
堕ちる必要のない穴にな
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