愛し仔/
栗栖真理亜
赤いおべべで着飾った小さな客人
憂いに満ちた瞳でじっとこちらを見つめている
白い肌にバラ色の頬
小さな愛くるしい口からは生えたての歯が覗いている
むっちりとした子どもらしい白い腕が手持ち無沙汰に空に浮く
もしその仔に言葉というものがあるならば最初に発せられる単語は何だろう
「ママ」でも「お母ちゃん」でもいい
目の前に抱き上げたこの愛し仔の言葉を直接聞いてみたい
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