歩く/高林 光
ずいぶん昔の自分の詩を
読み返すことがある
ちょくちょく読み返して直したりすることもあれば
十年ぶりくらいに掘り出してきて、ただ
読んでみたり
いいとか、わるいとか
そんなことも思わずに
昔の写真を見返して、
ああこんなこともあったなと懐かしむような
そんな気分に近いのかもしれない
娘がプロポーズをされたらしい
らしい、というのは、直接聞いたわけではないことを表しているのだが
さて、どうしたものか
くらいは考えてみる。父親として
さすがに早いんじゃなかろうか、とか
相手はどんな奴なんだろう、とか
外に出て星空の下で
煙草をふかしながらひとしきり頭をめぐらせてみ
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