yojin/あらい
玻璃たちと 垂直に崩れたまま 整列すら拒む
無窮の肉片を喉奥へ垂らす 風胎のまどろみを軋ませ
反りかえって微笑んでいる 潰れた順に、かすかに熱くなる
そうして、世界は、静かに、深い藍色にしづんでいった
※温度は記憶しない――
けれど、“忘れたこと”だけが 妙に正確だった※
管楽(くだ)のない祝福
まるでそれがしきたりであるかのように
縛っていた、
反照する口蓋に
凍った珪素の臍帯を伝い、まぶたに寄生しては
青白い魚は、嘘くさく思えた。名もなき屍たちの
冷たく腐りかけた手の平のうえで 余燼
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