社会のしっぽ/aristotles200
 
洗練された、高度に仕組まれたシステムとその端子。

・そう、選択肢は与えられず、ひたすらボタンを押し続けている、昨日も今日も明後日も。

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・この安心感、夕方、自宅へと帰り、その他習慣行動を終える、就寝する、それだけでいい。

・この虚無感、真夜中、眠れずに佇む、予定から逸れた恐怖、明日は破綻するかも知れない不安。

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・太陽のしっぽ、プレステ1で発売されたゲームが思い浮かぶ。

・基本的、何もしてもいい、しなくてもいい、そんな時間をゲームの内で過ごす楽しみ。

・最近、太陽のしっぽの夢をみる。なんにもない、なにもしなくていい世界に居ている。

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・社会のしっぽ。全てに管理されたしっぽ。いつでも切られるが、少なくとも今はしっぽ。

・切られたしっぽ、道に捨てられたしっぽ、誰も見ない、気づかないしっぽ。

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・そして、しっぽは動き出す、生き生きと、活発に、手を生やし、足を生やして、大きな口を開き、太陽に向かって吠えたのだ。

・構造体は震えた、社会システムは混乱した、ネットワークは停止した。
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