こん棒と胡椒挽き/umineko
ザクセンの皇帝は狩りがお好み
きらびやかなダイヤのボタン
精密な測量機械
それらに混じって
皇帝の
狩猟用具一式がある
獰猛なナイフ
鋭利なスティック
そしてダイヤをちりばめた こん棒
あろうことか
そのこん棒のふくらみ部分は
胡椒挽きになっているのだ
おそらく
鴨だかうさぎだとかを捕まえて
脳天を
そのこん棒で打ち据えたあと
待ってましたと胡椒を挽く
うさぎの脳天に胡椒を挽く
胡椒を挽きながらうさぎを焼く
うさぎを焼きながら歌でもうたう
イッヒ リーベ ディッヒ
食べるために殺すのだその何が悪い?
強権の皇帝はたぶん 正しい
うさぎのように眠る君の
無防備を 想う
こん棒も胡椒挽きも
寝顔に 勝てない
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