聞こえない風の音が、永遠に鳴り続けてて/由比良 倖
 
つでも傍にいる。足元には温かな空虚、そして手の中には、遠い花畑が。



 僕が学校を休んで前の日から徹夜で昼前までゲームをしていると(やめるタイミングを計る頭の中のスイッチが壊れてしまったのだ)、部屋に入ってきた姉が、ベッドに座って、手に持った袋のスナック菓子を食べながら、唐突に、
「あなたは正直者ね」
と言った。
 僕はいい加減眼が疲れてきたし、寝不足で、楽しいのか、ただ惰性でボタンを連打しているだけなのか、分からなくなってきたので、すぐにゲームとディスプレイの電源を切ってから、立ち上がって、水の入ったペットボトルを持って、姉の脇を抜けてベッドに寝転んだ。水を一口飲んで、

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