聞こえない風の音が、永遠に鳴り続けてて/由比良 倖
 
りしないでね。たまに冗談を言ってたな、とかその程度に覚えていて欲しいな。
 ……私が学んだ全ては、言葉を信じないこと。そして、それにも関わらず、言葉を信じること……私は私が私だと思っている私を捨ててみた。物事を本当にありのままに受け止めようと、私はただ感じるままに感じて、他意もなくひとに優しくしたわ。本来私はそういう風に出来ているものなの、多分、普通に生きていればね。人間は、お互い共感できる能力を、誰もが、自分で思っているよりずっと強く持っているものなのよ。
 私は、言葉が世界を駄目にしてしまったみたいに言ったかな? それは違うの。私が言いたいことは、広々とした素晴らしい世界を、えーと、既成概
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