to iU/ryinx
 
あの頃 樹にもたれて 眠っていたきみを
切り裂いたのものは

きっと 誰かの作り話で
 仔猫が、お腹を空かせていたのだろう
という 事になっていて

なぜないているの
と いう声が聴こえたら

それは、古い時代に
設定された 風習で

とうめいな皮膜をとおして 視えた
せかいは やさしく

誰かの 泣き声が 聴こえて
風、にどこまでも 押し流されてゆく
景色に

理不尽にひび割れた日付に

ところで
どうして燃やされた日記の
存在を知っていたのか
理由がわからない
けれども はじめから
ないものを説明することはできない
から
おしえて と問う モーリーに
はりねずみであるということは
どういう事なのか と問う
抜け殻の

 影は どこまでも 蒼く

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