感謝しかない/秋葉竹
 

 

素敵な時間を
ありがとうございます

ふるさとよりも暖かく
何種類もの海のうたが
一度に聴こえてくるような
初めの交響でした

いやなにも
心象風景を問うているわけではけしてなく
こぼれ落ちるほどの最後の一滴を
口を開けてぼんやりとみおろすよりほか
なすべきこととてなく

凄いものですね

なにかしらを残したいとは想う
味わった
肉の
骨の
髄の
味わいに
深く敬虔な感謝を込めて
なんとかなるように
生きて来た時間を振り返り
むかし知っていた絶望を
いまは絶望とは想わないことにも
感謝して
感謝を込めて
感謝をずっとつづけて
[次のページ]
戻る   Point(7)