雨宿り/花野誉
 

おぶわれた彼女は彼に傘をさす

耳と耳をくっつけて

時折 顔を見合わせて

どうか神様 この二人が

このまま幸せでありますように


あの日 竹林の小径

傘の縁からしたたる雨

小さくなって並んで歩いたのに

どこで見失ったんだろう


藍色の景色

あの時の自分がそこにいて

幸せの中 目が離せずにいる







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