四月終わりのメモ/由比良 倖
カラフルな光彩はとても綺麗だ。、、、僕の中でヴィトゲンシュタインの言葉が涵養されて研磨され続ければいい。きらめきの瞬間ごとを、鋭い言葉の中で生きていたい。……僕は元々、生理的にヴィトゲンシュタインが合っていると言うだけで、別に西洋も東洋も無くて、カントだろうがソクラテスだろうが、孔子だろうが老子だろうが、誰にも優劣は無くて、自分の肌に合う人の著書を大好きになって熟読すればそれでいいと思っている。
直に会える肉体を持った人間よりも、人の創作物に恋してしまう。ロラン・バルトは、文章の向こう側に作者はいない(あるのはテキストだけ)と言い切ったけれど、僕はどうしても詩や小説をラブレターのように読んでし
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