理由が知りたいけれど/ホロウ・シカエルボク
でもこの部屋に満ちた気配とその絵が無関係とはどうしても思えなかった、だからこの絵がここにあるのだ、と納得出来るようななにかが欲しいと思ったけれど、残念ながらそういうった出来事はまるで起こらなかった、ただひとときおかしな気配に悩まされただけですぐに眠ってしまい、気がついたら朝を迎えていた、窓が無いのに朝だということをちゃんと理解出来ることが不思議だった、そういえば他に宿泊客は居ないのだろうか?どこかで誰かが動いている気配がまるで無かった、もう一度シャワーを浴びてすっきりと目覚めた、身支度を整えて部屋を出た、エレベーターは無重力のように動いた、フロントであの部屋のコンセプトについて説明を求めようかと思ったけれどやめておいた、「当ホテルにはそのような部屋はありませんが…」なんて、困惑顔で言われたらどんな返事を返せばいいか相当に困るだろうと思ったから。
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