理由が知りたいけれど/ホロウ・シカエルボク
 
りだけでやっていた、客は俺ひとりだった、特になにがある街でもないのだ、小さな商店街が駅前にあるだけの、よくある街、とはいえ、どの店も営業していたから、なんとなくで続けていけるくらいの稼ぎはあるのだろう、店主は話好きだった、食事をしながら色々な話をした、俺が住んでいる街のことを彼は知っていた、まあ、歴史好きな人間なら誰でも一度は訪れるような街だ、料理はまあまあといったところだった、絶賛されることはないが、文句を言われるようなことも無い、そういう、よくある店のよくある料理、コンビニで週刊誌と、朝飯用の大豆のバーを二本買って部屋に戻った、寝室の壁に寝室、部屋に入るたびにそう口にしてしまう、おそらく今夜一
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