いま一度、いま千度、/田中宏輔
 

移動するためには移動する。
簡単な予約をするためには急いでいるのかどうかは気にしないわ。
小さな森のなかの小さな森のなかの1平方センチメートルを見に行きます。
私はそれを見に行きます。
そこで、私はたくさんの楽しいことをするつもりです。
突然、雨が降りはじめた。
ああ、雨の音にイライラするわ。
あなた、それは何を食べているの?
最後の「ひとつ」を手に持つことは良いことだわ。
きっと美味しいはずですもの。
これが旅行の終わり。
この夜に電車に乗る人たちは、本当に怖れていることを怖れている。
それでもって自分自身を責めることはできないし
私はけっして聖人ではない。
そのお
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