オマエの願いひとつ/栗栖真理亜
拳を振り上げ肩を怒らせながら語る詩よ
オマエの声は届いているか?
自分の知り得た情報すべてを伝えたいが為に
人の首根っこ捕まえてガクガク揺さぶる詩よ
オマエのコトバはヒトのココロに浸透しているのだろうか?
本当に必要なモノは何か
それは力任せに物事を主張するコトではない
人間の裏に潜む?何者か?に静かに語りかけるコトだ
?何者か?は必ず何らかのカタチで
呼びかけに応じてくれるはず
お互いの間で目に見えない会話が弾んでゆくのなら
それこそまさに本望じゃないか
まるで塗り壁のようなコトバの羅列も
いちいちお喋りな解説文も
風景を切り取っただけの描写も
すべてオマエの望むままに陥没してゆくだろう
そうオマエの願いひとつですべてが変わってゆくのさ
オマエの願いひとつで
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