硝子の告白/栗栖真理亜
君の冷たい口唇にそっとキスをする
もっと君に近付きたい
君の温かくて柔らかな肌が
愛しくて
愛しくて
何度も君の名を呼んだ
こころの中に甘酸っぱい感情が溢れ込んで来て
僕を果てしない幻(ユメ)の彼方へと押し流してゆくよ
あぁ、瞼を閉じてもいつの間にか君の輪郭を思い描いている
君の鋭く優しい瞳も紅く色付く口唇も
僕にとって詩が無くてはならないものであるように
僕の生涯の内で君はもっともかけがえのないヒトなんだ
いまやっとそのことが分かった
だから何事も畏れず君に全てを告白しよう
僕の君に対する正直な気持ちをいま、打ち明けたい
そう、それが僕の人生にとって
唯一、悔いの残らない生き方だから
戻る 編 削 Point(1)