はりがね/
はるな
削れた指を頬にあて
新しい水を吸うときに
意識ははりがねのように細く強張って
あー犬や猫や魚
象やいたちやカメレオン
うまれたての山羊や栄螺やひぐま・・・
ペンギンや、にわとりみたいに
限られた自由の中で泳いでいく
咲くことを前提に植えられた種が
季節をまたいで眠り続けるとき
身体ははりがねのように硬くはりつめて
ひなげしや蒲公英や矢車草
瑠璃唐綿、金盞花、それからかわいい勿忘草
果てまで根を下ろし、寒い、寒い夜を超えていく
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