雨の音/番田
雨はどこに降るのだろう
記憶だろうか
遠い昔 子供の頃は
そこでどんな色を残して
窓に突っ立っていたのか
音楽は終わり
色々あったけれど
僕はいつのまにか大人になった
そして堤防で釣りをしていた 僕は
あの波しぶきをそこで見ていた
僕のことについてを
細い針を目でたどるようにして
思う でも
誰も僕のことは知らない
雨は降り続いていた
昔社用車で出かけた場所は
今も同じ場所に残っているのだろうかと
雨にたずねてみるけれど
何も答えない 雨は 赤や 黄色の
色をはらんだまま
行くのだろう そこから
そして でも 僕は
今日も 何かを
そこで 探して
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