異郷の未来(ユメ)/栗栖真理亜
 
君はいま空のなか
見果てぬ夢に胸を膨らませ異国の地へと翔ぶ翼
隣で笑いかける友人と固く手を取り合い
希望の門をくぐり抜け人混みに消えてしまう陽炎
僕の知らない言葉を喋り
初めて触れる建造物や珍しい踊りに眼を奪われ
美味しい料理に舌鼓を打ち
君は過去の喧騒も忘れてしまうだろう

あぁ、どうか何もかも多忙な日々の記憶から意識を反らさないで
埋没する君との想い出を持ち続けたい
たとえ不可能だとしても
ひとつひとつ触れる君の輪郭を描き記憶して
君と再び出逢うその日まで僕は白い幻を追いかけ夢見よう

誰も立ち入る事の出来ない純粋な儀式

もしこの先も君との新たな瞬間に生まれ変わる事が出来るなら
未来へのユメを予感して
瞬きひとつで変わる景色をいつまでもいつまでも瞳のなかに焼き付けよう
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