pale a ir/ryinx
 
た まだ本は置いてあるのだろうか あるいはどこかに処分されたか たしか以前ここにいた気がする

 『どこでもない場所』

遠くで鳥が鳴いている 静かな夜だった 時間が流れている 椅子に腰かけ本のページを捲った 遠くで星が流れている 瞼の裏側が眩しい カタカナで筆記された図書カードに見覚えのある名前があった 窓の外に誰かがいる 樹が風に揺られているだけだろう そうか ここに誰かがいたのだろう 風に窓が揺れていた

時計のなかで 誰かがねじを廻している そうでなければいけないはずだった けれど ただの思いちがいだろう 雨の匂いがする 外では風が吹いていた

 こどもたちの ないている
  (声が)

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