憂う街の詩(ウタ)/栗栖真理亜
 
真っ白な大地に紅い亡者がチロチロと
不吉な舌先で黒いヤモリを舐めながら行進している
灰色の雨が濁った街を濡らして
怒りと哀しみの入り混じる極彩色の絵の具を溶かす

人々の瞳に宿る炎が
どんよりとした空気を泡立たせては消えてゆくセツナに
思いを寄せる詩(ウタ)よ
何処までも届かぬ天空(ソラ)に触手を伸ばし
現(ウツツ)の珠を転がしては
幻(ユメ)の後先に桃色の徴(シルシ)を付ける賢者(オロカモノ)よ

我の創りたもう苦渋の声に耳を傾けよ
鋭き感性の刃を地に打ち付け
砕け散る血潮の迸る精神(イノチ)を受けよ

悦楽(ヨロコビ)の琴が打ち鳴らす鼓動を
今こそ全身全霊で浴び
憂いの街を吹き飛ばすのだ
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