ファンタジー/大町綾音
 
東からゆっくりと昇ってくる──
それが恒星だと、
私達にはわからない、
私達はそれを神という。

ある部族はカレに対して贄をささげ、
ある部族はカノジョがセカイを創ったと伝える。

1ナノミリから始まった影が、
やがては数メートルになり、
透明なビルと融合する。
街も人も雲も空も宇宙も溶け合っていく。

どこかで、
フィリフヨンカの吹くハーモニカの音が聞こえたら、
……スナフキンを探さないで……
(あの看板嫌いの子ども)。

あの、ムーミントロールたちのくしゃみにつらなって……

<世界には暗い外界など存在しない>
<すべては内にあって>
<わたしたち、おしなべて穏やかな生き物だった>

さあ、あの果てに。

わたしたちを愛するお調子者のオバケたちが、
ケバケバしいタトゥーを身体に施しても、
さらに優しげな顔で、
……今、そこに住んでいるよ。

こちらを見つめているよ。

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