ブザマ/
栗栖真理亜
肉感的な闇の女王に微笑み
冷たいツラを張り付かせながら
彼女の耳元に甘い夢を囁く
彼女の分厚く赤い唇が
蠢きながら三日月型に変化する
まるで悍ましい蛭のよう
ぴんくにむらさきに混じり合うたびに
極彩色のマーブル模様となって
目をチカチカさせる
唐突に金切り声が薄闇を切り裂いた
黒い羽根を広げ鋭い眼光と嘴を持つ夜鳥か
錦糸で彩られた錦の帯は解け
暴走する網のように
石畳の海へと放り込まれた
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