ブザマ/栗栖真理亜
ようやく冬支度を始めた夜の気配は
肌冷たくひと撫でする
慌てて布団に潜り込み
達磨のように目だけギョロリと
外の気配を窺った
掛け布団の肌触りはまだ冷やっこく
徐々に体温で温められてゆくのを感じる
あゝこの世で一番の花魁は
冷え切った牢獄に繋がれたまま
のちに亭主になるはずの幼馴染の男は
他の女の欲にかまけて助けにも来ない
これで九十九パーセント
うまくいかないリスト入りに決定です
ひたすら隠されたペルソナ
覗く瞳から憂いと詩が溢れ落ちて
まるで穴の隙間から水が逃れ出るように
彼女の望みは潰えた
それと入れ替わり立ち替わり
鮮やかな金髪の美丈夫は
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