かりんとうでも齧りながら  /室町 礼
 
脚本や批評の賞もほんと
うに芸術性のある作品が選ばれず、まず”党派性”の
検閲を通らなければならないのです。逆にいえば今
どきの文学は党派性さえ押えておけばどんな愚作で
も賞をとることが出来ます。こんな澱んだ世界から
新しい文学など生まれるわけがないのではないかと
心配するのですが──。

大阪の谷町筋に「大阪文学学校」という詩や小説の
カルチャー学校があって、そこに三年ほど通ったこ
とは前に語りました。
このカルチャー学校、詩人の小野十三郎によって19
54年に創立されたということになっていますが、も
ともとは日本社会主義青年同盟(社青同)の松岡昭
宏という人物が「大
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