とべない 鳥のために/砂木
 



街の上で
朝を 投げている

小さな 丸い 飛沫が
きらきら ころがりながら
あふれかえる

夜よ
よき 友人よ

くりひろげられる
問いの多くを 吸い取り
泣きながら 抱いてくれる

朝もやに立ち尽くす時
昼に ひとりぼっちの時

ひとひらの羽
心の夜 の羽

空へ やさしく 誘いながら

人になっても 人になれなくても
ひとりにしないよ と

朝を 投げてくれる

夜よ
よき 友人よ

土に ころがる 骸のために

 
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