迷宮 または仕組まれた幻/紫音
 
果てなく延びる灰色の路
どこまでも高くそびえる灰色の塔
無数の閉ざされた扉の列
漏れ出る弱々しい灯り
忙しなく動く膨大な数の体
頭上足下を駆け巡る不可視の奔流
照らし出される表層
生み出される混沌
薄っぺらな虚構
作られた現実
狭間を漂う錯乱
増殖し続ける廃墟
死に続ける営み
処理される性
処断される生
素晴らしき哉心性の軽さよ
沈みゆく神性は偽り
嗚呼永遠の始まりよ
嗚呼終焉の継続よ
それはつまり
躍動する停滞
引き伸ばされた幻
鏡が映し出す
荘厳な箱庭の宇宙

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