愛惜の遠路をのばすわかれ歌/菊西 夕座
 
愛惜の遠路をのばすわかれ歌
   〜海がしずめば星がのぼり、星がしずめば海がひろがる〜


愛のめくばせはむなしさの海を一瞥でかきけし
なみだの一滴をはてしない夜空の星へとかえる
ひとつのまばたきで二人は熱くまじわるが
一人のなみだは相手の海溝といれかわりもする

とおくの星こそもっともせつないわかれの形見
かつての愛がこぼれてひろがるなみだの海は
どこまでもとおく二人をはこんではなさない
ちり散りになればなるほど知り増すひろがり

過去がとおくなればなるだけふかまる愛惜
二人が結わえたサヨナラは波にねじれて
未来にいけばいくほど過去へとよせかえし
追憶にすがれば
[次のページ]
戻る   Point(3)