よるにいどうする/fujisaki
夜がはじまる、八重洲口バスターミナル、年末だからか人がたくさんいて、映画のオープニングみたいだって思う、見知らぬ若い男女の、かばんがぶつかって、実はアパートのおとなりさんでした、色々あったけど、めでたしめでたし、でも、そういう筋書きには出演しないんだ、センスのいい監督が、編集したとしたら、彼のいない週末に、アイロンをかけている、その後ろ姿が、きっとサムネイル、朝、駅へ向かう倍の時間をかけて、ゆっくり家に帰る、そういうのを贅沢だねって、どうしても思ってくれなかった、だから、乗り込むんだ、ここじゃないどこか遠くへ、移動するために、あたしは、
夜行バスの室内灯は、ブルー、チューハイを二缶空けても眠
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