繭/由比良 倖
っていく。
見送りながら、見送りながら、
カラフルな墓場を、そして畳の上を行く。
ベニヤ板の乾いた、湿った匂い。
うずくまって喜んでいるみたいに、
または孤独みたいに
、泣きそうだったこと。
期待しない、結局のところ、
自動人形だから私は。
(眼の前のきらきらと、それに見惚れること、そして懐かしさの間に、
境目を本当に付けるべきでしょうか?)
何もかもがただのリアリティ
*****
作曲家よりも編曲家になりたかった
捻れた三角形が好きだった
私の中にはコンクリート建築があって
陽に当たって白々と
それは先祖返りでしょうか?
ガラスの廃校へと
音楽の中をどれだけ溺れつづければ
世界への入り方を、
白い要石を、
そして空気の泡を
掴めるのか、
さすらうようなスピードで
駆け出すよりも、
宇宙の底へと
皮膚を滑り込ませ、
私を沈ませる必要があります
隣のドアへ……
記憶の先端でレモン水を作るように、
青い冬の舞台装置が壊れていく
夜。
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