禁じられた愛戯(アソビ)/栗栖真理亜
我が家のボンボン時計が十二時の鐘を鳴らし
僕は思わず顔を上げ時計のほうに目をやった
君はいまどうしてるのだろう?
柔かな布団の中で
自分の優しい温もりに包まれながら
深く安らかな眠りに就いているのだろうか
それとも、仕事場で眠い眼を擦りながら
徹夜仕事に明け暮れているのだろうか
君の事でこんなにも思案を巡らし
君の為に恋しさが募る心と体を持て余している僕が何だか滑稽で
ふとした拍子に笑い飛ばしてしまいそう
だけど、僕は君の全てを
胸の奥から見つめる為に生まれて来たんだ
この手にこの腕に
君の温もりが感じられなくたって構いやしない
ただ、僕の記憶に君を刻み込
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