君の横顔/栗栖真理亜
写真を捲れば輝くような君の笑顔に出会った
だけどそれはカメラに向かって精一杯
愛想を振る舞おうと造り笑いした笑顔で
僕が心から見たいと望んだ君の本当の顔じゃない
君は一体普段はどんな顔をしているのだろう
思ってもみない出来事に出会して
驚いたりしかめっ面したり
笑い出したりするのだろうか
それとも涙が出るほどの感激の場面に立ち会って
自分も一緒になって喜んだり涙ぐんだり
相手を想いやったりするのだろうか
そんな君を側で見守る事が出来たら
どんなに良いだろう
あぁ、オーロラのように自在に変化する君の表情を
身近に感じていたい
君という神秘のベールに包まれた怪盗二十面相を
四六時中観察して
僕のなかに取り込んでしまいたいんだ
他でもない君だけが
僕の瞳を奪ってしまったのだから
もう君以外の誰も
眼中には入って来ないよ
だって・・・君の正体を探り
君と共に歩む覚悟を決めて
君を守る為に僕は生まれて来たのだと
いまここで確信したから
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