冷えた眠り/ホロウ・シカエルボク
どこかの日中に気が向いたら実行するだろう、今住んでいる部屋の明かりはリモコンで操作出来る、何段階かの明るさも調整出来る、でもそんな操作をすることは滅多にない、部屋の明かりなんか点いているか消えているかだけでいい、それだけでいいはずのものにいろいろと余計なものがくっついている、多くの人間が本質だけで物事を考えることを止めてしまった、いまや形骸化してしまったルールの中で、滅びた国を守る防衛機能のように愚直に任務を遂行するばかりだ、まるで社会はまだ真実を手にしているというようにしたり顔で旧態依然のシステムを転がしている、それはまるで廃墟に置き去りにされた人形が見ている夢に似ている、ああ、意識が朦朧として
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