イトナミ/mizunomadoka
 

ひとひらの灰
切れそうな電線で赤い鴉が鳴く
あれを訳してみて
意味のない歌のようです
そう

また歩き出す
瓦礫の橋で合成肉を齧る
この川を渡るのですか?
てんとう虫がとまる

濡れた服を脱いで
毛布に包まる
暗い夜を照らす
気休め程度の熾き火

あの歌は数式だったかもしれません
ずっと解析していたの?
機械の右手に問いかける
返事はない

風の音
遠くからきたのね
私の一部も連れてって

手を合わせてみる
祈るかたちに








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