黒の嵐/栗栖真理亜
 
僕のアタマのなかは黒い嵐が渦巻いて
僕を困惑と狂気のさなかへと陥れてゆく

あぁ、信頼という壁は
砂糖で作られた家のように崩れ去り
まるで、唖のように押し黙っているよ

なにもかもが混沌とした恐慌のなか
勝手気ままにキマリゴトも秩序も壊してゆくこの世界で
蒼白く褪めた死体が僕だけをじっと見つめている
僕を咎めたてるように・・・


僕は・・・僕は、
偽りの仮面を被り
作り物の舞台の上でひらひらと踊り狂うしかなかったんだ
ただ、ただ、「後悔」という言葉すら押し殺して
笑顔で演じなければ
僕という人間は世間(まわり)から消されてしまっていただろう

あぁ、どうか
どうか、分かっておくれ
恨めしそうに僕を見つめる犠牲者よ

僕をこんなにも悩ませるアナタが
あまりに憎いのに・・・
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