落選詩とその理由の分析/鏡文志
いたから、鋭利で入れたんだと投げやり気味に語り出し始めます。
>光の中生きる。そのことが、待ち遠しい
闇の中の蛹。貧として機会、授からずや
我一人嘆く。時はただ過ぎる
全体的にリズムを揃えて、文体の格好良さだけは保ちながら言っていることは相当情けない。
俺が恵まれない境遇だったのは、全部貧乏が悪かった。貧として機械授からずやと格好よく表したところで、貧乏のせいだ! と言っているに過ぎない。しかし、それは事実かも知れないため、読み手は少したじろぐ。
>闇雲に走る。その空走り、どこか虚しく
愛を乞うて歌う。古をなぞりし、悪あがきかお慰めか
国を問うて闘う。時代の
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