落選詩とその理由の分析/鏡文志
 
代の波に破れ


六連目は更に女々しく、国が悪い俺を強制入院させやがってと文章は怒りの唸りをあげる。


>鳥のように高く。その羽が愛おしい
虫のように小刻みに、その胸は震え
森のように深く、迷いの中抜ければ
水のように緩やかに、優しくなっていくばかり


最後に私が手に入れたものは優しさだったと結んではいるけれど、内容の刺々しさを読めばそれは嘘だとわかる。老いも嘘、優しさも嘘、鋭利さを仕舞い込むも嘘。多分僕が欲しかったものは、優しくない自分。そんな苦い思いに溢れた詩でした。


正直が表現者の肝です。下手か上手いか出来が悪いかどうかは、二の次です。僕はまだ大人
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