落選詩とその理由の分析/鏡文志
過ぎる
闇雲に走る。その空走り、どこか虚しく
愛を乞うて歌う。古をなぞりし、悪あがきかお慰めか
国を問うて闘う。時代の波に破れ
鳥のように高く。その羽が愛おしい
虫のように小刻みに、その胸は震え
森のように深く、迷いの中抜ければ
水のように緩やかに、優しくなっていくばかり
ココア共和国に投稿した詩です。
才能とか表現の世界で光輝くものというのは、他人を打ち負かすような陰湿なものでなく、自分に勝つかどうかが大切です。その面でこの作品は大勝ちではない。その自分に勝つという感覚は、どこに求めるかは微妙なところですが、作品の中には正直に現れるもので、それはこのテキスト
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