失われた自称詩人の時間は戻らない/花形新次
何故あの時
自称詩の世界に飛び込んでしまったのか
もっと違うことに時間を使っていれば
こんな風にならずに済んでいたのではないか
と後悔してみても
取り立てて他に取り柄がないから
どのみちうだつの上がらない人生を送ることには
違いなかったので
まあ、これも必然だよと諦めることにして
これからもほぼ毎日ペースで
自称詩を投稿しようと思う
そう高らかに自称詩人継続宣言をして
人々の嘲笑を誘った
自称詩人のつむじ風三十郎さん(もうすぐ四十郎)は
結局その半年後に完全に正気に戻ってしまい
やはり失われた時の重さに耐えきれなくなって
自ら命を絶った
享年三十九歳
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