春の糸/
本田憲嵩
はる、
勉強机と低い本棚の間に架けられた、
一本のクモの糸、
その事が今なんだか妙にうれしい、
それは春が春のなかを渡り歩いたという、
ささやかで、
たしかな軌跡、
ひさしぶりに開け放ってみる窓、
朝の陽を浴び、
そよ風に揺れ、
虹いろに輝いている、
とてもささやかな、
目の、
よろこび、
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