蒼河/201
 
らないように
小麦を育てる

この世界が
終わらないように
朝目を覚ます

そのもっとずっと前に
世界は一度か
二度
終わっていて

生き残ってしまった人は
ただ
祈り続けてきた

自分が生むであろう
まだ何も知らない
いのちのことを

過去は変わらない
それなら

この悲しみを
苦しみを
痛みを

もう二度と誰にもあじあわせたくない



世界は美しかった

人が死ぬ

産まれるよりも早く食い続けている間に

渇いて

夜の中で

ひっそりと咲いた百合の花を

ゆりと呼ぶだけの時間



もう誰も立ち
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