Lark's Tongues in Aspic。/田中宏輔
 

消しゴムが痛くて泣くよ。」って言ったら (ズヴェーヴォ『ゼーノの苦悶』6、清水三郎治訳)
「先生にも消しゴムの声が聞こえるの?」 私は知った。
って言われた。             (ヘッセ『青春彷徨』第七章、山下 肇訳)
うれしそうに、目をキラキラ輝かせて   神はひとりひとりにちがった声でよびたもう。
というより瞳孔を開ききって、て感じで。(カロッサ『ルーマニア日記』十二月五日、登張正実訳)


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蛇をつつけば、藪が出るのよ。


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常套句ほど美しいものはない。
(ボードレール『火箭』18、矢内原伊作訳、句点加筆)

常套句ほど美しいも
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