中天の月/
栗栖真理亜
泣き出しそうな月
顔を歪めて
金色の薄い輝きが闇を仄かに照らしている
君はなぜそんなにも哀しそうなの?
漂うようにただひとり闇に浮かぶ月よ
肌を切り裂くような寒さが
君のココロまで凍えさせてしまったのだろうか?
それとも誰かの弔いの日を思うあまり
君の美しい瞳から涙が溢れ落ちたのだろうか?
あぁ、空はあまりにも高くて誰も気付かないけれど
どうか月よ
泣かないでおくれ
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